コーン油は料理に広く使われる油ですが、一部では「体に悪い」と言われることがあります。
その理由として、製造過程での化学処理や、オメガ6脂肪酸の過剰摂取が健康に
悪影響を与える可能性が挙げられます。
また、コーン油は高温加熱で酸化しやすく、酸化した油を摂取すると体内で炎症を
引き起こしやすいとも言われています。
この記事でわかることは、
・コーン油の成分や特徴
・コーン油が体に悪いといわれる理由
・コーン油が使われているもの
・コーン油の正しい使い方
コーン油が「体に悪い」とされる理由や、高温調理でのリスク、
さらに健康的に使うためのポイントを詳しく解説します!
コーン油の成分や特徴
コーン油は、トウモロコシの胚芽から抽出される植物油で、軽い風味と使いやすさが特徴です。
成分や特徴を見ていきましょう。
脂肪酸構成
脂肪酸の構成はこちらになります。
・リノール酸(オメガ6脂肪酸)必須脂肪酸で、適量なら健康をサポートしますが、
摂りすぎると炎症を引き起こす可能性があります。約50~60%
・オレイン酸(オメガ9脂肪酸)心血管の健康に良いとされる一価不飽和脂肪酸。約25~30%
・飽和脂肪酸 安定性があり、エネルギー源として利用されますが、過剰摂取は控えたい成分です。約10~15%
ビタミンE(トコフェロール)
コーン油は、ビタミンE(特にトコフェロール)を豊富に含むことで知られています。
ビタミンEは、強力な抗酸化物質であり、体内で発生する自由ラジカルを中和し、
細胞の酸化ストレスを軽減する役割を果たします。
こうした特性により、ビタミンEは細胞の老化を防ぎ、心血管疾患やがんなどの慢性疾患の
リスクを減少させるともいわれているようです。
〇細胞保護
ビタミンEは脂溶性ビタミンで、体内の脂肪組織に蓄積され、細胞膜を保護する役割を持ちます。
これにより、細胞が健康を保ち、様々な病気から身を守るのに役立ちます。
〇抗酸化作用
トコフェロールは、体内で発生する有害な自由ラジカルと反応してこれを無害化します。
この過程で、細胞のダメージや炎症を減らし、健康を維持するのに役立ちます。
〇心血管健康のサポート
研究によると、ビタミンEは血中のコレステロールの酸化を防ぎ、動脈硬化の進行を遅らせることができます。
これにより、心臓病や脳卒中のリスクが低減される可能性があります。
〇免疫機能の強化
ビタミンEは免疫システムの正常な機能を支える重要な役割を果たします。
特に高齢者においては、ビタミンEの補給が免疫応答を改善し、感染症に対する
抵抗力を高めることが示されています。
植物ステロール
コレステロールを低下させる効果が期待される成分が豊富に含まれています。
植物ステロールは、植物に由来する化合物で、動物由来のコレステロールと化学的に
似た構造を持っています。
この類似性により、植物ステロールは人体内でコレステロールの吸収を阻害し、
健康維持に役立つ効果を発揮します。
〇コレステロール低下
植物ステロールは、小腸でのコレステロールの吸収をブロックすることにより、
血中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)レベルを低下させます。
これにより、心血管疾患のリスクを減少させることが可能です。
〇心血管健康のサポート
植物ステロールのコレステロール低下効果は、動脈硬化や心臓病の
予防に直接的にいいようです。
この効果は、特にコレステロール値が高い人にとって有益です。
〇抗炎症作用
一部の研究では、植物ステロールが炎症を軽減する効果を持つことが示されています。
炎症は多くの慢性病の根底にあるため、この効果は全体的な健康増進に寄与する可能性があります。
〇安全性と利用のしやすさ
植物ステロールは自然な成分であり、副作用のリスクが非常に低いとされています。
コーン油を日常の料理に取り入れることで、容易に植物ステロールを摂取することができます。
コーン油が体に悪いといわれる理由
コーン油が「体に悪い」と言われる理由は、成分や製造過程、使用方法に関するいくつかの懸念からきています。
ただし、適切に使用し、摂取バランスを意識することで、健康へのリスクを抑えることができます。
オメガ6脂肪酸の過剰摂取
コーン油にはリノール酸(オメガ6脂肪酸)が約50~60%含まれています。
オメガ6脂肪酸は体に必要な栄養素ですが、摂りすぎると体内で炎症を引き起こし、
心血管疾患やアレルギー、慢性炎症のリスクを高める可能性があります。
現代の食生活では、加工食品や揚げ物に多用されるため、オメガ6が過剰摂取されがちです。
製造過程での化学処理
コーン油は大量生産の過程で、ヘキサンなどの化学溶剤を使用して抽出されることが一般的です。
不純物が残留する可能性や、栄養素が失われる懸念があります。
精製過程で栄養価が減少し、健康への影響が議論されています。
酸化しやすい性質
コーン油はリノール酸が多いため、熱や光に弱く酸化しやすい特徴があります。
酸化した油を摂取すると、体内で活性酸素が発生し、老化や炎症を促進する可能性も。
高温調理や揚げ物の再利用が特に危険です。
遺伝子組み換え
コーン油の原料となるトウモロコシは、遺伝子組み換え作物が多く使用されています。
遺伝子組み換え食品を避けたい人にとっては不安材料となります。
一部のコーン油製品には「非遺伝子組み換え」と明記されていますが、すべてではありません。
高カロリー
コーン油は他の油と同様に高カロリー(1gあたり約9kcal)。
過剰摂取すると体重増加や肥満につながります。
摂取量を管理し、他の油とバランスを取ることが重要です。
コーン油が使われているもの
コーン油は、そのクセのない風味と手頃な価格から、幅広い食品や製品に使用されています。
揚げ物
天ぷら、フライドポテト、唐揚げなど、揚げ物の調理油としてよく使用されます。
加工食品
ポテトチップス、スナック菓子、クラッカー、カップ麺などに使用され、風味を整える役割を果たします。
ドレッシングやマヨネーズ
クセのない味わいから、ドレッシングやマヨネーズのベースオイルとして使われることが多いです。
マーガリンやショートニング
コーン油を原料に加工された製品がパンやお菓子作りに使用されています。
ポップコーン
映画館や家庭で作るポップコーンの調理油としてもよく使われます。
その他
業務用は
・レストランやファストフード店 大量に使用されるため、揚げ油として使用されることが多いです。
・製菓・製パン業 クッキー、ケーキ、パイ生地などの製造に活用されています。
一部の化粧品や石鹸の原料としても使用されることがありますが、食品用と区別されています。
コーン油の正しい使い方
コーン油は、適切に使うことで料理の風味を引き立てつつ、健康リスクを抑えられます。
適した調理法で使用する
コーン油は軽い風味で、野菜炒めや肉のソテーなどに適しています。
煙点が高め(約230℃)のため、揚げ物にも使えます。
ただし、過熱しすぎると酸化しやすいため、170~180℃程度で使用しましょう。
揚げ油の再利用を避ける
揚げ物に使った油を再利用すると酸化が進み、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
揚げ油は1回ごとに交換するのが理想です。
サラダやドレッシングに少量使用
軽い風味を活かし、サラダやドレッシングの材料として生食用に使うのもおすすめです。
他の油と組み合わせる
コーン油はオメガ6脂肪酸が多いため、エゴマ油やアマニ油などオメガ3脂肪酸を含む油と
バランスよく使うことで、摂取バランスを保てます。
保存方法に注意
直射日光や高温を避け、冷暗所で保存しましょう。
酸化を防ぐため、開封後は早めに使い切ることをおすすめします。
おすすめできない使い方
・高温で長時間の調理 高温調理で長時間加熱すると酸化が進むため、
調理時間を短くするか、中火以下で調理を行いましょう。
・揚げ物の使い回し 再利用による酸化が進むと、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
使うときのポイント
・1日の摂取量を大さじ1~2杯程度に抑える。
・他の油とのバランスを考え、コーン油の使用を偏らないようにする。
コーン油は調理の幅が広い便利な油ですが、使い方や摂取量に気をつけることで、
健康リスクを抑えながらおいしい料理を楽しめます。
適切に保存し、料理に合わせた使い方を心がけましょう。
まとめ
今回はコーン油についてお届けいたしました。
使い方によっては体に悪影響がある場合もあります。
正しい使い方を意識しておく方がよいですね。